5日滞在して、一行は友枝に帰る日なった。
「その小さい車に大人5人で帰るのぉ〜?」
という園美の配慮によって、さくらと小狼は今回は大道寺家の車に乗せてもらうことになった。
さすがの大道寺コーポレーション、広々とした大きな車だった。
また来年の夏によかったらいらっしゃい、と真嬉は言ってみなを見送った。
「おじいちゃんにも会えたし、知世ちゃんや小狼君と一緒にいられたし、楽しかった!」
「そうですわね。夏休みも残り少しですし、いい息抜きになりましたわ」
「そういえば、宿題は終わったのか?」
「え?」
「李君は?」
「おれは終わらせてあるけど・・・」
「私も、残り少しですわ。さくらちゃんは・・・」
「あ、えーと、もうちょっとだけど・・・えーと・・・数学が全然終わらなくて・・・」
あはは、と乾いた笑みを浮かべてさくらが言った。
そう、さくらの天敵、数学である。計算問題がずらっとのった、
先生お手製プリントをノートに解いて提出、ということになっていた。
「私も、数学は最後に手こずってますの。李君は数学、お得意でしたわよね?」
「あ、いや、得意と言うほどでは・・・」
「ね、小狼君。解き方教えてっ」
「よろしければ、私にもお教え下さいませんか?さくらちゃんと一緒に」
「・・・まぁ、いいけど・・・」
「わぁい!数学って教科書だけじゃどーしても解けないんだもん。小狼先生、お願いしますっ」
「31日に慌てないようにな」
「はーい。頑張ります」
夏真っ盛り。
どんなに青い空が綺麗でも、向日葵が元気に咲いていても、学生がやるべきことは山ほどある。
楽しんだ後は、勉強せよ、ということらしい。
**fin**
2006.08.29.
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