「さくらちゃん、李君、本当に有り難うございました。 おかげでとても素敵な写真が撮れましたわ」
「ううん、わたしこそ、楽しかったし・・・服ももらっちゃって」
「当然ですわ。あ、李君もよろしければ・・・」
「いい。大体、おれは手とかしか写ってないからな」
「そうでしたわね」

翌日の午前の撮影も終わり、午後には帰路についた。
小狼は野外撮影の際、手だけサポートしたり、足だけ写ったりと、 部分的なところで撮影に加えられた。
もっとも、メインはさくらである。
報酬の代わりに、と約束していた服一式は、 例のさくらが気に入ったカジュアル風味の服になった。
これなら色々組み合わせてたくさん外に着ていけると大満足だった。

「出来上がりましたら、きちんと冊子をお渡しいたしますね」
「楽しみにしてるねっ」
「・・・・・・ああ」

こうしてさくらの“ちょっとした仕事”は幕を下ろした。




後日談。
“エンジェル・ウィング”のパンフレット冊子は大好評。
そのせいもあってか、割と高い服なのにも関わらず、大成功を収めた。
次のシーズンのパンフレットは大きく宣伝するために きちんとしたモデルが使われたが、“エンジェル・ウィング”ファンの間では、 初期のパンフレットが一番いいとかなんとかいうウワサも・・・・・・。


**fin** 2007.09.10